タイムトラベルに関する考察

小学生の時、ハーバート・ジョージ・ウェルズ 著の「タイム・マシン」と筒井康隆 著「時をかける少女」を愛読していました。どちらも面白かったし、その後に私に科学に対する興味を与えてくれた書籍です。私は現代物理学を専門的に学んだ機会はないので詳しいわけではありませんが、物理学的には過去に行くことを含めてタイムトラベルが不可能ではないといわれています。タイムトラベルを扱った映画や小説はたくさんあります。しかし、最近タイムトラベルが可能であってもかなり危険ではないかと気が付きました。

それは,目的の時間に行くことができても,同じ場所でということは難しいのではないかということです。なぜなら,私たちは同じ場所にとどまらず常に移動しているからです。タイムトラベルをして未来か過去に行った場合,同じ場所にいるにはその位置が動いていないことが前提となります。

私たちの地球は自転しています。太陽は東から西に移動しますが,これは地球上の私たちが西から東に移動しているからです。どれくらいの速度で移動しているのか計算してみます。

円運動をする物体の周速度vは,v=rωで計算できます。rは回転中心からの距離で,ωは弧度法で表される回転速度です。そのため回転速度ωは, ω =2π÷[1周に係る時間]となります。いま,赤道付近でタイムトラベルを行うとして,回転半径rを赤道半径の6378137[m]として速度vを計算すると次のようになります。

v= 6378137 ×2π÷24÷3600=463.8[m/s]

結構な速度で西から東に移動していることがわかります。

そして,1分のタイムトラベルをすると約28[km]位置がずれることになります.

私たちの地球は太陽系に属し,その太陽系は天の川銀河に属しています。太陽が銀河系内を移動する速度について計算するしてみよう。

回転運動する物体の移動速度は、v=rωで計算さえれる。rは回転中心からの距離、ωは弧度法で表された回転速度でω=2π÷(一周に要する時間)である。

太陽は銀河中心から約3万光年離れており、太陽が銀河を1周する時間は約2億4千万年とされておりこの値をもとに計算すると、約235km/sという数値を得ることができます。ということで私たちは宇宙空間を235km/sという凄まじい速度で移動しています.

そして,一年では74億キロ移動することななります.ところで銀河もまた宇宙空間を凄まじい速さで移動していると考えれれており,これについてはどの方向にどんな速度かは知りません.

したがって,タイムトラベルで通常空間に戻ったら,大抵は何もない宇宙空間,運が悪ければ恒星やブラックホールの中ということになります。以上から,タイムトラベルは可能かもしれませんが,トラベル先の空間位置も移動しなければならないので非常に困難であると結論付けできます。